ウィルス [中庸]
ご無沙汰しております。
今年の冬は完全にウィルスにやられました。
１月下旬から２月頭まで大変な思いをしました。
と言ってもコロナではありません。
ノロウイルスと普通の風邪です。
露骨な表現でみなさんが不快になるといけないのでぼかして言いますが、はじめ母親が２日連続で発症し、それが公共の場だったために救急車で運ばれました。（私も一緒でした）
土曜日のせいか大病院にもかかわらず人は少なく、若い担当医が、
「ノロではないですね」
「ノロだったらもっと苦しんでいるはずですから」
と言うので、私は安心して衣服の洗浄など母親のすべての面倒を見ていたのですが、その夜から明け方にひどい下痢を起こし、仕事を休みました。
おまけに食欲がまったくなく、その日はほとんど何も食べていません。（何かのウィルスなのか？）
その後も母親は下痢が続き、トイレの掃除や消毒などでてんてこ舞いでした。
次の週に私は風邪をひき、仕事を休んで近くの医者に診てもらいました。
私が、
「ウィルス性ではないと思うんですけど」
と言うと、すかさず医者は、
「ウィルスでない風邪なんてないんですよ」
と答えました。（後で友人から聞きましたが厳密に言えば諸説あるとのこと）
私はついでに前回のことを言いました。
そうしたら医者は、
「それは完全にノロウィルスですよ」
「人によって体の強さが違うから症状も違うんです」
ときっぱり言い放ちました。
その時初めて前回がノロだとわかりました。
「ノロは１週間、今回のは３日ぐらいの保持」
「同時に複数のウィルスに感染して続けて症状が出ることも充分あるんです」
やはりベテランの医者はそれだけ経験豊富で、冷静に多角的にとらえているものと思われます。
新型コロナの影響で総理から小中高の休校の要請があり、私が勤める学校も３月は試験なしになりました。
ということで、生徒と会うことはなく、成績処理など事務作業を残すのみです。
これは私にとってはむしろ順風で、不愉快な思いが早く消えたと言えます。
以前にも何度か言いましたが、今や教師は教えるための「前提」がなくなっています。
要するに（初めから）偉くないのです。
特に中学生に対しては、内容的に何をどう教えるかではないのです。
その教師が偉いか偉くないかは生徒たち（全員ではない）が決めるようになっていて、授業の時間に「誰が来るか」で態度が180度変わります。
というより、それが「すべて」です。（この先生の言うことを聞かなくても自分の身が大丈夫なら聞かない、自分の身が危うくなるなら聞く）
少なくとも形としてはそれで授業が成立するか否かが決まります。（なのにその手の生徒は「教え方がどうだから」という理由をつけます）
もはや先生と生徒という「上下関係」は消え失せ、おとな同士の「力関係」になっているのです。
まさに『平等ウィルス』に侵されていると言えます。（なんだそれはとおっしゃる方もいると思いますが、前著作の中の私の造語です。他に、『白黒症候群』『解決病』）
私に言わせれば新型コロナウィルスよりも恐ろしいのです。
この日本が、学力に関しても経済に関しても、アジアの近隣諸国にとっくに追い越されてもはや先進国ではないと言われるようになったのは、平等ウィルスが大きな要因だと言っても過言ではないと思います。
一つ実例を挙げます。
私が持っている学級でのことですが、私語が多く騒がしいので、「うるさい！喋るな」と怒鳴ることが度々あります。
説明するときも、途中で私語が入り邪魔になるので、時折私はそれをかき消すように大きな声で説明します。
するとある時、ある男子生徒が、
「いちばんうるさいのは、教壇の前にいる人だ」
と言いました。
ひと昔の学校なら、そういうのはボコボコにされたものですが、今はそれも許されません。（それがすべてを物語っているとも言えます）
私は一拍おいて、冷静な口調で言いました。
「うん、まあ確かだもんな」
「間違いじゃないからね」
「じゃあ、今言ったことを上の先生に言っておくよ」
そうやってビビらせるだけです。
つまり、すべてが「何を」ではなく、「誰が」なのです。
以前、死刑制度の廃止を主張するある有名人が、
「死刑を執行する人も殺人を起こしているわけだから」
と、理由付けをしたことがあります。
みなさんどう思われますか？
（詭弁ですね）
また、ある政治家が違法行為で訴えられた時、それを取り締まる「検察」を訴えたことがあります。
そのとき、周囲から、
「天に向かって唾を吐くようなものだ」
と非難されました。
もうお分かりかと思いますが、初めから無条件で「偉い人」がいなければ、社会は成り立たないということです。
偉い人は民衆が決めるのではなく、賢人や識者たちが擁立するのです。
上に立つ立場の人とは、必ずしも地上道徳的に立派な人ではなく、強欲がなく全体が見通せる人です。
アラブ諸国の例を見てください。
けっして「独裁」で済まされされないはずです。
かつては国民が明るく生きていたと聞きます。
西洋人による民主化によってかえって混乱を招いていると言われます。
初めから「折り目」があってはじめて人々の思考に余裕ができるのです。
でも、それをネットに書き込むと、理解者が少数派で、反対者が多数出ます。
それだけ日本が（平等ウィルスに侵されて）病んでいると言えるのでしょう
今年の冬は完全にウィルスにやられました。
１月下旬から２月頭まで大変な思いをしました。
と言ってもコロナではありません。
ノロウイルスと普通の風邪です。
露骨な表現でみなさんが不快になるといけないのでぼかして言いますが、はじめ母親が２日連続で発症し、それが公共の場だったために救急車で運ばれました。（私も一緒でした）
土曜日のせいか大病院にもかかわらず人は少なく、若い担当医が、
「ノロではないですね」
「ノロだったらもっと苦しんでいるはずですから」
と言うので、私は安心して衣服の洗浄など母親のすべての面倒を見ていたのですが、その夜から明け方にひどい下痢を起こし、仕事を休みました。
おまけに食欲がまったくなく、その日はほとんど何も食べていません。（何かのウィルスなのか？）
その後も母親は下痢が続き、トイレの掃除や消毒などでてんてこ舞いでした。
次の週に私は風邪をひき、仕事を休んで近くの医者に診てもらいました。
私が、
「ウィルス性ではないと思うんですけど」
と言うと、すかさず医者は、
「ウィルスでない風邪なんてないんですよ」
と答えました。（後で友人から聞きましたが厳密に言えば諸説あるとのこと）
私はついでに前回のことを言いました。
そうしたら医者は、
「それは完全にノロウィルスですよ」
「人によって体の強さが違うから症状も違うんです」
ときっぱり言い放ちました。
その時初めて前回がノロだとわかりました。
「ノロは１週間、今回のは３日ぐらいの保持」
「同時に複数のウィルスに感染して続けて症状が出ることも充分あるんです」
やはりベテランの医者はそれだけ経験豊富で、冷静に多角的にとらえているものと思われます。
新型コロナの影響で総理から小中高の休校の要請があり、私が勤める学校も３月は試験なしになりました。
ということで、生徒と会うことはなく、成績処理など事務作業を残すのみです。
これは私にとってはむしろ順風で、不愉快な思いが早く消えたと言えます。
以前にも何度か言いましたが、今や教師は教えるための「前提」がなくなっています。
要するに（初めから）偉くないのです。
特に中学生に対しては、内容的に何をどう教えるかではないのです。
その教師が偉いか偉くないかは生徒たち（全員ではない）が決めるようになっていて、授業の時間に「誰が来るか」で態度が180度変わります。
というより、それが「すべて」です。（この先生の言うことを聞かなくても自分の身が大丈夫なら聞かない、自分の身が危うくなるなら聞く）
少なくとも形としてはそれで授業が成立するか否かが決まります。（なのにその手の生徒は「教え方がどうだから」という理由をつけます）
もはや先生と生徒という「上下関係」は消え失せ、おとな同士の「力関係」になっているのです。
まさに『平等ウィルス』に侵されていると言えます。（なんだそれはとおっしゃる方もいると思いますが、前著作の中の私の造語です。他に、『白黒症候群』『解決病』）
私に言わせれば新型コロナウィルスよりも恐ろしいのです。
この日本が、学力に関しても経済に関しても、アジアの近隣諸国にとっくに追い越されてもはや先進国ではないと言われるようになったのは、平等ウィルスが大きな要因だと言っても過言ではないと思います。
一つ実例を挙げます。
私が持っている学級でのことですが、私語が多く騒がしいので、「うるさい！喋るな」と怒鳴ることが度々あります。
説明するときも、途中で私語が入り邪魔になるので、時折私はそれをかき消すように大きな声で説明します。
するとある時、ある男子生徒が、
「いちばんうるさいのは、教壇の前にいる人だ」
と言いました。
ひと昔の学校なら、そういうのはボコボコにされたものですが、今はそれも許されません。（それがすべてを物語っているとも言えます）
私は一拍おいて、冷静な口調で言いました。
「うん、まあ確かだもんな」
「間違いじゃないからね」
「じゃあ、今言ったことを上の先生に言っておくよ」
そうやってビビらせるだけです。
つまり、すべてが「何を」ではなく、「誰が」なのです。
以前、死刑制度の廃止を主張するある有名人が、
「死刑を執行する人も殺人を起こしているわけだから」
と、理由付けをしたことがあります。
みなさんどう思われますか？
（詭弁ですね）
また、ある政治家が違法行為で訴えられた時、それを取り締まる「検察」を訴えたことがあります。
そのとき、周囲から、
「天に向かって唾を吐くようなものだ」
と非難されました。
もうお分かりかと思いますが、初めから無条件で「偉い人」がいなければ、社会は成り立たないということです。
偉い人は民衆が決めるのではなく、賢人や識者たちが擁立するのです。
上に立つ立場の人とは、必ずしも地上道徳的に立派な人ではなく、強欲がなく全体が見通せる人です。
アラブ諸国の例を見てください。
けっして「独裁」で済まされされないはずです。
かつては国民が明るく生きていたと聞きます。
西洋人による民主化によってかえって混乱を招いていると言われます。
初めから「折り目」があってはじめて人々の思考に余裕ができるのです。
でも、それをネットに書き込むと、理解者が少数派で、反対者が多数出ます。
それだけ日本が（平等ウィルスに侵されて）病んでいると言えるのでしょう
