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心のよりどころ [中庸]

ここに来てくださるみなさんはもう私が何を言うかわかると思います。
今回の事件で、今の地上宗教がいかに本質から離れているかが窺えると思います。
もっと言えば、推進する側も非難する側も、紋切り型の盲信者もすべてを否定する無神論者及び唯物論者も、いかにピントがずれているかがわかります。
インペレーターやシルバーバーチの嘆きが聞こえます。

さっそくある報道番組で、かの宗教団体の献金の問題を取り上げていました。
そして最後に、お決まりの念押しのひと言がありました。
「断っておきますが、宗教は『心のよりどころ』となるものであって、宗教そのものが悪いわけではありません。ただそれを悪用することがいけないのです」
でもどうでしょう?
一見すると公正で健全な見解のようですが。

ここが核心部分です。
まさにこの《よりどころ》というのが曲者で、私に言わせれば、
「悪用してください」
と言っているようなものなのです。
なぜなら「思考停止」を意味するからです。
よくネットの書き込みで、
「宗教施設に行って話を聞くと、楽になるのはなぜでしょうか?」
というのがありますが、私は返信します。
「思考を委ねて〈思考停止〉するから楽になるのです」
そう言うと、
「楽になるからそれではそれで良いではないか?」
と言う方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに地上的には「思考停止」は必要だとも言えます。
地上生活では楽になることは重要です。
社会においては、偏ったものとして刷り込まれた思想があってこそ速やかな行動ができます。
躾とか常識などもそのためにあります。
もちろん、あとで言うように「仮のもの」だという省察は必要ではありますが、ある程度思い込みがあってよいのです。
振り返れば、私たちは社会契約をして身柄を世法や国の権力に委ねているからこそ、信用して人と接し安心して街を歩けるのですから。
むしろ損得や自己保存など地上的計らいに関しては「すべて自己責任」では身が持たず、適当に思考停止したほうが、ストレスを回避し余裕を持って文化的な行動ができます。

しかし、霊的には「思考停止」はいけません。
地上での修行にならないからです。
霊的に進歩しないからです。
教会や寺の人がこう言ったからとか、聖書や仏典にこう書いてあるからと、権威に依存して本質を捉えることなく、儀式やノルマに終始する「外で熱心な信者〔良きクリスチャンにして悪しき聖職者〕」になり、あとはただ神仏に委ねて祈るだけというのは道を外れています。
(金銭問題の有無にかかわらず)魂の奴隷または家畜になってしまいます。

先ほど言った地上的な思想が「仮のもの」であること、白黒や損得という感覚的なものを追求することで幸福が訪れるというのが「幻」だということを、「自らの省察」によって体得し、それらを超越して霊的視点を設けること、中庸を得ることが地上経験における課題です。
肝心なこととして、神仏を内在するものであり包括するもの(内包かつ外延)と覚ることであり、けっして外界のものとして自分と切り離さないことです。(神仏は信じるのではなく知るのです)
そして、その切っ掛けを与えることが聖人であり、聖人の言葉を受け継ぐ宗教団体の役目です。
宗教は「切っ掛け(啓発・産婆術)」だけでいいのです。
〔既述のように、イエスや孔子はそれであり、聖書や論語にも表れています。鵜呑みにしないということ。わかる人だけにわかるように隠れています〕
それ以上のことは余計であり、むしろ思考を奪って盲信を促し無理解を生むだけです。

日本では、宗教と聞くとどうしても「カルト教団[→]洗脳[→]テロ」だとして、なくていいとかないほうがいいと言う人が多いでしょうけど、宗教とは本来は「心の問題」あるいは「心の教育」であり、他の国では当たり前のように必要なこととされています。
では日本は何がいけないのでしょうか?
悪い人が悪用するからではありません。
冒頭で示したように、「心の《よりどころ》」とすることです。
平たく言えば、「考えないことがいいことだ」という教えが各宗教団体で蔓延っているということです。(人智は神に及ばないから捨てるものだと)
「考える切っ掛けを授けられて、自分で道を得る」
という心構えがほとんど見られません。(これなら本当にないほうがいいと思いますが)
これは私自身がいろいろな宗教団体の人たちと接して率直に感じたことです。

そして、繰り返すように、冒頭のTVの出演者たちが当たり前のように宗教に対して、
「心の《よりどころ》であり〈楽になる〉から」
で止まっていること、そして本来の宗教の意味を言わない(言えない?)のを見ると、悲観せざるを得ません。
そんな中でも私は地道に活動を続けます。

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