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望みは中国 [中庸]

私はかなり若いころから中国には興味があり、中国茶や中国酒、そして中国料理を嗜んできました。(高校で漢文を習う前から、繁体字を覚えていてほとんど書けました)
高校時代の友人たちが、中国かぶれした私を見て、名前を「長光郎」と中国風に変えた方がいいんじゃないかと、からかったほどです。
今も、割りと安くて旨い中国料理店や美味い中国茶を置いてある店を見つけはわざわざ足を運びます。
9年前には、中国整体の専門学校に1年通って、「綜合中医療法師」なる民間の資格を取り、半年ほどプロの整体師をやっていました。
今は専ら母親に施すだけですが。
また、改名の時の縁で、易を勉強して今でもたまに易占します。

そんなわけで、振り返ってみれば、私の身体も精神も中国文化で満たされているのです。
もちろん、整体やマッサージが縁で、中国人と交流が頻繁にあります。
そうすると当然みなさんは疑問に思うはずです。
「中国語はどうなの?」
そうです、中国語には興味がないのかと言われて当然です。
実を言うと、もともと私は話し言葉にはあまり興味がなかったのです。
日本語でさえそうです。
「考えることが少なければ少ないほどよく喋る」
という諺に賛同してか否か、「無口」で通しているくらいですから。

ところが、あることが切っ掛けで必要性を感じて、2か月前から独学で中国語の勉強を始めました。
CD付きの教材と知人の中国人との会話で細々と練習しています。
HSKなどの検定はともかく、中国人と不自由なく日常会話ができたらと思ったわけです。
「あること」とは何か、実は半年前、1月の下旬だったか、ある夢を見たのです。

『私はどこか田舎の方のある駅のホームに立って、列車を待っていました。やがて丸みを帯びた濃紺の特急列車が入ってきたので、停まる前になるべく先頭の車両に乗ろうとホームの先端近くへ走っていきました。ところがよく見ると先頭の車両に出入り口がありません。私はあわてて2両目の方へ戻ろうとしましたが、その出入口は人で溢れ、私が入る余地はありませんでした。そうしているうちにドアが閉まって発車してしまいました。列車が行ってしまった後に、どこからともなく女性の声が聞こえてきました。「望みは中国」(夢はそこで終わりました)』

まあ、日本社会に失望した私の心中の反映なのでしょう。
私が何年か後に中国へ行くかどうかは成り行き次第です。
ただ、私が中国に希望の光を見るのには理由があって、私が見る限り中国には日本から消えた「灰色」や「家庭(プライベート)優先」、そして「信仰心」がまだあるからです。
信仰心?
皆さんの中には、中国人は「唯物主義」だと思っている方がいるかもしれません。
たしかに、即物的な印象を受けるかもしれません。
中には商売っ気が先立って、たくましいというよりはエゲツナイ人もいます。
ただ、「物質がすべて」とか「カネさえあれば」とか「死んだら終わり」というような思想ではなさそうです。

今年の4月頃だったか、以前お世話になった近くに住む同年代の中国人の女性整体師に商店街でバッタリ会った時に、職を失った私の事情を伝えたところ、
「まずは、身体をしっかり保ってね」
と忠告されました。
つまり、どんな状況であっても身体の健康を計れということです。
何をするにも健全な肉体が基本だというのです。
これは肉体がすべてだとか、肉体さえ健康であればよいというわけではありません。
「健全な肉体には健全な魂が宿る」(逆に健全な魂は健全な肉体を作るとも言えます)
という方便としての唯物論です。(高田求氏が唱えた高級な唯物論に似ています)
私はその忠告通り(?)今もこうして良いものを食べて平然と時機を待っているのです。

それに、彼らは、もし十分カネがあって働かなくても遊んで暮らせる状況になっても、何もしないのは良くないと言っています。
つまり、常に「社会奉仕」の理念があるのです。
そういう意味で信仰心があると言えます。
中国が、今の日本のごとく「こんな状況なら仕事なんかしないで遊んで暮らせたらその方がいい」などと思わせる状態ではないとしたら、行ってみたいという気にはなります。(場所によっては良い所と悪い所があるそうです)

それにしても、中国語は難しいです。〔中文很難〕
果たして私の思惑は如何に。








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