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確率0再考 [思考実験]

先週の話の続きです。
年休願を出してからわずか5分後に、高2理系のある混合クラスに授業に行きました。
礼が済んですぐに、『一直線上にある3点』という表題を黒板に書いて始めたのですが、いきさつから気が高ぶっていたこともあって、つい生徒に問い掛けてしまいました。
「2点を通る直線は必ず1本決まるけど、3点目がこの直線状にある確率はいくつだ?」
私はある男子生徒を指して聞きました。
なかなか答えないので、黒板の真ん中あたりにチョークで点を打って、改めて問いました。
「ホントはこの点は面積がない(ゼロ)なんだけど、見えないものは描けないからこう描くけど、そこからチョークを投げてこの1点に当たる確率は?」
今度は生徒全員を見渡して尋ねました。
すると、しばらくして、一番前に座っているある成績不振の男子生徒がボソッと言いました。
「0」
ちょっと意外だったせいか、思わず私は、
「そうっ!0なんだ」
「ということは、今日は確率0のことをやるわけだ」
と力強く言いました。
「でもあいつ、なんで解ったんだ?」
少し気になりましたが、直接その生徒に聞くことなく、その日を終えました。

そのためか、翌朝、目が覚めた時にふとあることを思い出してしまいました。

この宇宙の天体はみな自転している。
なぜか?
自転していない天体はあるのか?

みなさん答えられますか?
それに対する科学者の答えはこうです。
「摩擦のない宙に浮いた物体が回転しない方がはるかに難しい」
言われてみれば、たしかにそうです。
何でもいいですから、みなさんも物を上に放り上げてみてください。
自転しないように投げるのは至難です。
というより、確率0です。
自転していないということになれば、よほど何か外からの力が働いているということです。

そこでまたあることを思い出しました。
それなら、月はなぜ地球に常に同じ面を見せているのでしょうか?
もちろん傍から見れば月は自転していることになりますが、これはまさに確率0の出来事です。
外からの力といっても、地球その他の天体の引力ぐらいでそうなるものでしょうか?

これに関しては、地球誕生の過程において月が地球の一部として同じ方向に回転していた様子が容易に想像できることでしょう。
後に間に隙間ができて、地球の表面近くのものと、地球から遠ざかるものに分かれたと考えることができます。
月が地球から遠ざかりつつあるのも説明がつくでしょう。
〔*あいにくこの説は、「潮汐力」の説明により却下されそうです〕

ともあれ、私たちが意識的に行動するということは、意識が「偶然と必然」に分けることによって無数にある選択肢から一つを選ぶことになるわけですから、確率的にはあり得ないことをしていることになるはずです。


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